チャンギ空港の就労パス問題で約45社を調査 MOMが指摘した申請と実態のずれ

シンガポールの玄関口、チャンギ空港で、外国人の就労パスをめぐる問題が大きく報じられています。きっかけは空港での現地検査でした。専門職や管理職などを対象とするEmployment Pass(EP)を持つ人が、実際には手荷物の取扱業務に就いていたことが分かったのです。
約270人の業務配置に規則違反の可能性
2026年11月2日、シンガポールで就労パスを管轄する人材開発省(MOM)は、チャンギ空港の業務に関わる約45社を調査していると発表しました。就労パスの規則に沿わない形で業務に配置されていた可能性がある労働者は、これまでに約270人に上ります。
MOMの初期調査では、手荷物の取扱業務に就いていたEP保有者について、申請時に届け出た職種と給与が事実と異なっていた疑いがあり、ほかの種類の就労パスでも、届け出た職種とは異なる業務に就いていた例が見つかりました。
対象の労働者を雇用していたのは、手荷物の積み降ろしなど空港の地上業務を担う会社「SATS」の委託先や再委託先です。MOMは発注元のSATSにも、委託先の従業員がそれぞれの就労パスの条件に沿った業務に就いているか、確認を強化するよう指示しました。
虚偽申告や規則に反する業務配置に対する罰則
MOMによると、就労パスの申請で虚偽の申告をした場合、最大S$20,000の罰金、最長2年の拘禁刑、またはその両方が科されることがあります。また、外国人従業員を就労パスの条件に反する業務に就かせた雇用主には、最大S$10,000の金銭的制裁が科される場合があり、就労パス保有者の雇用を禁じられることもあります。今回の件について、MOMは調査を続けており、違反が確認されれば措置を取るとしています。
シンガポールで外国人を採用する際は、実際に任せる仕事と支払う給与をもとに、どの就労パスが適しているかを判断し、その内容を正確にMOMへ申告することが申請の出発点です。申請書を提出する前に、記載した職種と給与が、実際に予定している雇用条件と一致しているかを確認しておきましょう。

